おばさん社労士の発信基地 きぼうという名の事務所です。

開業してからまる10年「発信する社労士」を目指して「独立独歩」「自主自立」の活動をつづるブログです。

労働基準法再読(25)法令等の周知義務

就業規則を作るということは、労使の権利・義務関係をはっきりさせるということですから、法令にある労働者の権利を規定に盛り込むのは当たり前と思っていますが、小さな事業所の場合などは、絶対に書くことが法令で決まっていることでなければ、あえて書かなくてもよいかなという事項もあります。
もし、規則に書いてなくても、何か事が起きれば法令に従うことになるのですから、話をややっこしくさせないために書かないという選択をする場合もあります。
しかし、労働基準法では、使用者に法令等の周知義務を設けていて、最低限、これだけは労働者に周知しなさいという項目があります。(注1.)
周知の方法は、常時作業場のみやすい所に掲示するなり、置いておくなりしていつでも自由に見ることができるようにする、書面を直接各人に渡す、パソコンなどでいつでも見ることができるようにする、などの方法が推奨されています。

〔注1.〕労働基準法第106条 使用者はこの法律及びこれに基づく命令の要旨、就業規則、第18条第2項、第24条第1項ただし書、第32条の2第1項、第32条の3、第32条の4第1項、第32条の5第1項、中略 常時各作業場の見やすい場所へ掲示し、又は備付けること、書面を交付することその他の厚生労働省令で定める方法によって、労働者に周知させなければならない。
第2項略

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労働基準法再読(24)記録の保存

当地は、先週後半から寒い曇天が続いています。
金曜日には積もるほどではありませんでしたが朝から雪が降りました。
金曜日は、諸般の事情から更新をサボってしまいましたので、今日は少しは真面目な記事を書こうと思います。
労働基準法は使用者に様々な義務を課していますが、その中に記録の保存というものがあります。労働者名簿、賃金台帳などの労働関係の重要書類について3年間の保存を義務づけています。(注1)
法律では3年間だからといって、3年であっさり処分してしまうのはちょっとやめた方がよいと私は思っています。
賃金債権については2年の時効がありますが(退職手当については5年)、一般的な債権について、例えば使用者としての安全配慮義務などについては10年が時効だからです。
〔注1〕使用者は、労働者名簿、賃金台帳及び雇い入れ、解雇、災害補償、賃金その他労働関係に関する重要な書類を3年間保存しなければならない。

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労働基準法再読(23)休憩時間

今、所属する個人的な勉強会のために休憩時間について再度勉強しています。
当ブログの「労働基準法再読」で当然書いただろうと思って調べてみたら書いてなかったんです。それで、今日、書いてみようと思います。
働いている人にとって休憩時間は非常に重要です。
人間の集中力はそれほど長続きしないと言われていますので、適度に休憩をとってリフレッシュすることは作業能率を上げ、労働災害の防止にもつながります。
ということで、労働基準法でも罰則のある強行法規として第34条(注1.)に休憩時間の規定があります。
(違反した場合は、6か月以下の懲役又は30万円以下の罰金)

(注1.)労働基準法第34条 使用者は、労働時間が6時間を超える場合においては少なくとも45分、8時間を超える場合においては少なくとも1時間の休憩時間を労働時間の途中に与えなければならない。
2.前項の休憩時間は一斉に与えなければならない。以下略
3.使用者は第1項の休憩時間を自由に利用させなければならない。

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労働基準法再読(22)事業場外労働

労働基準法では1週40時間、1日8時間という労働時間の制限を設けています。
この時間を超えて働く場合はどれぐらい超えるかについて、労基法36条に基づき労使協定を結び最寄の労働基準監督署に届け出なければなりません。
即ち、この協定書を届け出ない限り法定労働時間を超えて働かせることはできないことになります。
 小さな事業所の事業主さんなどで、そのことを全く知らない方が結構いらして、最初のうちは驚きましたが、最近はすっかり慣れました。
近年、未払い残業代請求事件が増えていますが、そのような案件が裁判になると使用者側の労働時間管理の質が厳しく問われます。
しかし、営業職のように労働者がずっと外回りなどをしていて、訪問先なども本人の自由裁量が大きいとか、種々の理由による在宅勤務などで使用者の管理外で働く場合には、労働時間の管理についての例外が認められています。
先週、所属する勉強会でそれについて勉強したので忘れないうちにちょっと書いておこうと思います。

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労働基準法再読(21)監督機関に関する申告

昨日、新聞の労働欄の片隅にあった投書ですが、従業員13名の小さな運送会社で働いているが、1日15時間働くこともしばしばで、休みは日曜日だけ。
大手の下請け仕事なので仕方がないのかな、小さな会社には労働基準法なんて無縁なんですね。という内容で、「労働基準法なんて・・・」と見出しがありました。
トラックやタクシーなど自動車の運転業務については、特殊な業務として「自動車運転者の労働時間改善のための基準」(
参照)が出ていて、拘束時間、休息時間などの考え方で「1日8時間、1週40時間」の枠から外れる場合も多くあります。
しかし、業界全体が長時間労働が恒常化しているようで、関与している社労士などに聞くと、この基準がなかなか守られていないというのが現状のようです。
運送業に限らず、自分の働いている会社が労働基準法を守っていない場合、そこで働く労働者はそれについて行政官庁に申告することができます。(労働基準法第104条)(注1.)

[注1.]労働基準法第104条 事業場に、この法律又はこの法律に基づいて発する命令に違反する事実がある場合においては、労働者は、その事実を行政官庁又は労働基準監督官に申告することができる。
2.使用者は、前項の申告をしたことを理由として、労働者に対して解雇その他不利益な取扱をしてはならない。

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労働基準法再読(20)育児時間

今年6月30日施行の改正育児・介護休業法では、3歳未満の子を養育する労働者が請求した場合、原則1日6時間の短時間勤務ができるようにする措置をとることを使用者に義務付けています。
過去記事にも書いたとおり、(
過去記事参照)育児・介護休業法は行政取締法規であり、罰則もありません。使用者側が就業規則等で規定を作らずこの短時間勤務措置がない会社の場合、労働者の要求が直ちに通るかどうかは法律的には微妙な問題を含んでいます。
それでは、罰則もあり強行法規である労働基準法では、このあたりはどうなっているでしょうか。
1歳未満の子を育てる女性労働者に対する育児時間というものがあります(注1.)。
 
[注1.]労働基準法第67条 生後満1年に達しない生児を育てる女性は、第34条の休憩時間のほか、1日2回各々少なくとも30分、その生児を育てるための時間を請求することができる。

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労働基準法再読(19)フレックスタイム制

お客様から相談を受けてフレックスタイム制について勉強したので、ついでと言っては何ですが、記事にしたいと思います。
私が社労士試験の勉強をしていたのは数年前ですが、その頃フレックスタイム制というのは大企業で採用されることが多く、中小企業ではあまりないと教わりました。
その状況は今もあまり変わっていないと思いますが、東京都中小企業振興公社が毎年出している「中小企業の賃金事情」(
参照)の統計によると、従業員300人以下の企業でも8%が採用していることになっています。
労働基準法では、第32条の3に規定がありますが、条文が長く読みにくいので概要を書きたいと思います。
まず、要件としては始業、終業の時刻を労働者が自由に決定できるようにして、就業規則又はこれに準ずるものによりその旨規定します。
次に労使協定により対象となる労働者の範囲、清算期間(1か月以内)の長さと起算日、清算期間内における所定労働時間(労働者が労働すべき時間)を決めます。
労使協定の届出の必要はありません。

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労働基準法再読(18)休日について

当地の今日は朝から晴れて風もなく穏やか、すっかり春ですねぇという陽気です。

先頃、政府ではゴールデンウィークなどの休日を全国のブロックごとに時差を設けることを検討しているとの報道がありました。

確かにお盆やゴールデンウィークはどこに行っても混んでいて、道路は渋滞、電車の指定席もとりにくい、旅館の宿泊料も高いなど、いいことはないですね。

そのように集中してしまうのは、多分、有給休暇をとりにくいのでみんなが休む時に休むということも関係しているのではないかなと思います。まずは、有給休暇を使い切ることを推奨する方が先じゃないかなと思います。

さて、今日の労働基準法再読は「休日」について見ていきたいと思います。

休日と休暇の違いはわかりますか?

前者は最初から労働する義務のない日、後者は労働の義務のある日に義務が免除される日と考えます。

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