おばさん社労士の発信基地 きぼうという名の事務所です。

開業してからまる10年「発信する社労士」を目指して「独立独歩」「自主自立」の活動をつづるブログです。

判例にみる解雇権の濫用

昨日、解雇権濫用について記事にしましたが、代表的な判例をちょっとご紹介しておこうと思います。

(高知放送事件 最高裁判決 昭和52.1.31)

注1 労働基準法第18条の2  「解雇は、客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められない場合は、その権利を濫用したものとして、無効とする」

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「ばかやろう」で解雇は無効、解雇権濫用を考える

少し古い話ですが、今月9日に名古屋地裁で上司に「ばかやろう」と言ったことが理由での解雇は無効という判決がありました。(参照)


派遣会社から通訳として派遣されていた日系ブラジル人の原告が、有給休暇の申請を巡って上司と電話で口論となり、「ばかやろう、おれは子供ではない」と言ったことに対して、翌月解雇となったものです。


名古屋地裁では「発言は1回限りであり、合理的な解雇理由ではない」と認定しました。

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声に出して読むとわかる名文、漱石の「こころ」

朗読をすると脳が活性化されるそうです。


足し算、引き算など単純な計算をしてもいいらしいけれど、さすがにそんなことは面白くも何ともないなと思い、でも、自分の好きな小説などの朗読ならいいかもしれないと、少女時代の愛読書を毎日少しづつ朗読することにして読み出したのが数ヶ月前。ようやく読み終えました。


漱石の『こころ』は中学生の頃から20代までの私の座右の書でした。

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宙に浮いている年金記録5000万件 社保庁のずさんな管理

「宙に浮いた年金記録」については以前から話題になっていました。


相変わらずの社会保険庁のずさんな管理の実態が明らかになるにつれ、あきれ果てて記事にする気もなかったのですが、やはり書いておかないといけないかなと思いました。


それというのも、2、3日前にたまたま夫がラジオで聴いたらしいのですが、この問題について社会保険労務士に意見を聞いていたそうなのです。その社労士の方は「自分が実務をしている中で、そういう人(年金記録が不明になった人)には出会ったことがないので、実害がどれだけあるか、よくわからない」と語っていたというのです。

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社労士会支部の新年度スタート

私の所属する社労士会の支部も新年度がスタートしました。


既に先月の総会で新執行部が承認されていましたが、先週今月の例会があり、あらためて新体制の方針などが発表されました。


昨年、年度の途中で入会した時には執行部の体制がよくわからなかったのですが、今年度からは支部のインフォメーションサイトで、写真つきで理事の方を紹介していますので、途中から登録した方もよくわかってよかったなと思います。


理事の方たちは全体的に開業年数の長くない方も多くて、古い会員の方にすると「随分変わったなあ」という印象をお持ちのようです。

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男性に対するセクハラとは? 雇用管理はどうする?

4月1日から施行になっている改正男女雇用機会均等法では、対象労働者が女性だけではなく、男性も含めて全ての労働者に対する差別的取り扱いが禁止となりました。


当ブログで以前にも取り上げましたが(過去記事参照)セクシャルハラスメントについても、男性に対するセクハラも禁止となり、さらに今まで配慮義務であった事業主の義務も、措置義務とされ対策の強化が求められています。


事業主としては「措置」ですから、目に見える形で何らかの対策を講じなければいけないわけです。

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当ブログの基本方針について

23日にはしかの流行について記事にしましたが、ワクチンをしていてもかかることがあるので、その情報をここから読んでくださいというような内容のコメントをいただきました。


メルマガなども発行して健康情報を流しているページのようでした。


当ブログは、社会保険労務士として開業した私の日々の雑感や関連法規等について、皆様にお知らせしたいと思ったことを書いています。


社労士に関係ないニュースなども書きますが、自由な立場で書きたいと思っていますので、商業的な宣伝等は一切載せません。また、商業利用されるのも避けたいと考えています。


前述のページはまじめに健康情報を流していらっしゃるのかもしれませんが、私の判断でコメントは削除させていただきました。

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低いのは誰のせい? 日本の労働生産性

昨日の朝日新聞に日本の労働生産性についての記事がありました。


労働生産性とは付加価値の総額である国内総生産(GDP)を全就業者数で割って算出します。(参照) 日本はOECD加盟30カ国の19位で、主要先進7カ国では11年連続の最下位だそうです。一時間あたりの生産性もやはり19位と低迷しています。


「残業代0法案」と揶揄されたホワイトカラー・イグゼンプションもこの統計を根拠に、「個人の能力を上げるために必要だ」と経営者側から主張されたわけです。


それだけで見ると労働者ひとりひとりが生み出す付加価値ということになりますが、もちろんそんな単純な話ではないということが書かれていました。

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止まらないはしかの流行、前代未聞の大学休講

都内を中心にはしかが流行っているようです。


はしかで大学が全学休講にするなんて今まで聞いたことがなかったです。ゴールデンウィークの前あたりから、首都圏の若い人の間ではしかがはやっているということはニュースになっていましたが、どんどん感染が拡大しているようですね。


今の10代から20代の人達はワクチン接種率は比較的高いらしいのですが、ワクチンを接種しても免疫がつかない人が1%ぐらいいるとか、ウィルスに触れないでずっと過ごすと免疫力が弱まってしまうとか、いろいろ原因が報道されています。

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続今年度の法改正の勉強

社労士試験の科目で「労働安全衛生法」というのがあります。


もとは労働基準法の中に組み込まれていた職場の安全と衛生についての規程を、独立した法令としたものです。


ですから、社労士試験では労働基準法とセットになっています。選択式では5問中2問が、午後の択一式では10問中3問が安全衛生法というわけです。労働基準法がなかなかの難問ぞろいですので、安全衛生法で1問でもクリアーしないと合格基準点に届かないという場合もあり、予備校では意外と安全衛生法も丁寧に教えてくれます。

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今年度の法改正の勉強

社労士試験に合格した平成17年から、毎年ある有名社労士塾の法改正講座を通信教育で受講しています。


カセットテープ(ビデオもあるが、カセットが一番安い)と問題集つきのテキストが送られてくるので、それを自学自習するだけの話なのです。


本来は受験生向きですが、昨年改正された項目が過不足なく整理されていて、とてもわかりやすいので、合格後も毎年受講しているというわけです。


もちろん、自分の購読する雑誌や社労士会でも法改正の情報はどんどん流してくれますから、だいたいはわかっているのですが、この講座はそのような知識の整理にとても役立っています。

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居場所がないことの悲しさ 会津若松母親殺人事件

会津若松市で起きた高校生による母親殺害事件は、世の中の多くの母親たちを慄然とさせたと思います。


中学校時代までは文武両道で何をやっても人より上位で、華やかだった少年が街の優等生がたくさん集まる高校へ進学したとたん、「普通の人」になってしまったということがメディアでは報道されています。


そこまでは、比較的よくある話です。地方でなくても都会でも中学校まで優等生だったけれど、そういう子が集まる高校へ進学すると各地から集まってきた優等生の中に埋没してしまう。それで挫折感を味わうというのはあると思いますが、それなりになんとか友達もできて、どうにか無事に高校を卒業するというのが、普通でしょうか。その辺の情報は私は持っていないので、よくわかりませんが。

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行政協力後日談

16日の記事で労働保険の年度更新の行政協力について書きました。(記事参照)


毎年一度の労働保険の申告書の受付事務を社労士会として協力するというものです。


なんで、社労士が行政のお手伝い的なことをするのか、私には疑問ですが、古い時代を知る人によると、社労士の職域拡大のために社労士会側から頼んでやらせてもらったという過去の話があるようです。


でも、やればやったでとても勉強になったので、それはまあいいとして、その後支部の掲示板でちょっと論争(それほどオーバーではないですが)になっていることがあります。

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続生かされていない電通事件の教訓 心の病で労災最多

さて、昨日の「電通事件」の続きです。


この事件では、最終的に和解しましたが賠償金が1億6800万円という巨額であったため、話題となりました。


日本を代表する広告会社での過酷な長時間労働の実態、また、今でいうところの職場のパワーハラスメントなどが日常的に行われていたことが、裁判の過程で明らかになっています。

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生かされていない電通事件の教訓 心の病で労災最多

今朝の朝日新聞朝刊に「心の病で労災最多」という記事が一面トップにありました。


昨年度精神障害で労災と認定された人が前年度の1.5倍205人になり過去最多だったそうです。


それに関連する凡例として、「電通事件」(最高裁第二小法廷 平成12.3.24)があります。事件を詳しくみてみましょう。

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年度更新の行政協力に初参加

昨日、私の事務所の管轄の労働基準監督署で、労働保険の申告書を受け付ける業務をしました。


労働保険とは労働者災害補償保険と雇用保険の総称です。それらに加入している事業所は毎年4月1日から5月20日までの間に、前年度分の確定した保険料と今年度分の概算の保険料を申告します。また、期間内に保険料を納付します。(要件にかなえば年3回に分けて納付できる)


申告書は、保険料率や前年納付分などが印字されたものが手引きといっしょに事業所宛に郵送され、各事業所で作成して申告することになっています。

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HP作成を決める

一説によると、開業した社労士のうち9割が1年以内に廃業するそうです。


支部で私と同期の会員が全員まだ頑張っていますから、ほんとかなあと思いますが、それほど継続してやっていくのは大変だということだと思います。


実際、支部の例会や研修会などで他の社労士の方とお話すると、開業したては大変だったと言われます。

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減り続ける年休の取得率、4割台が続く

厚生労働省の就労条件総合調査によると、企業の年次有給休暇(年休)の日数は年々増えているが、実際に休んだ日数は減っているそうです。(参照 EXCELです)


取得率を見ても2000年に5割を切って以来、以後は4割台が続いています。


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採用面接で精神病(歴)を申告させるのは許されるか?

昨日書いた採用面接での精神病(歴)についての申告を求めることについて、私はどちらかというと反対の立場です。


「三菱樹脂事件」(過去記事参照)以来「企業には法律の制限がない限り誰を採用するか原則として自由に決定できる」という最高裁判決が、企業の採用の自由を認める大きな根拠となっています。


もう一度「三菱樹脂事件」を見直してみようと思い、昨日久し振りに東洋大学の図書館に行ってきました。

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精神病歴のある人の採用はやはり難しいのだろうか。

一昨日は、私が参加している当ブログでもたびたびご紹介している自主研究会の例会がありました。


そこで一番活発な意見交換がされた題材が、採用面接の時に精神障害(歴)について質問して、採用の判断要素にしてもよいかという問題についてでした。


例によって、メンバーの1人がQ&A方式で書いてきた原稿について、参加者全員で意見を述べつつ推敲するという形式です。

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教育再生会議にやってほしいこと

今月5日に当ブログでも取り上げた(参照)教育再生会議の子育てについての提言はとりやめることになったようです。(新聞記事参照)


「親子が一緒に成長する場づくりについての緊急提言が必要」ということで提言作りに着手したらしいのですが、結局常識的な生活習慣を並べただけということで、首相官邸から「待った」がかかったということらしいです

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博士のフリーター化 この国の人材活用はどうなってるんだろう。

昨日お昼休みにのんびり新聞を読んでいたら、就職難の「博士」を支援するベンチャー企業社長という記事が目に止まりました。


就職先に恵まれない大学院生と企業の橋渡しを目的とする季刊誌を創刊した人の話が出ていました。院生の生活ぶりや企業者との対談などを掲載して彼らの等身大の姿を描くフリーペーパーとのことです。


雑誌は企業にも配られ院生の就職を後押しします。

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「%」の働き方で豊かな人生

昨日、就職氷河期に社会に出た若者の閉塞感について記事にしました。


それとは対照的に労働者保護が行き届き、働き過ぎることなく豊かな人生を実現しているように見える、オランダの例が朝日新聞の生活欄にでていました。


ここで言う「豊かな人生」とは経済的にすごく恵まれているということではありません。もちろん経済的にもそこそこなのでしょうが、働き方の選択の自由度が非常に高く、仕事以外に使える時間が多い生き方を選択できるということです。


例えば幼いわが子との触れあいの時間を増やすために、労働時間を90%にして、フルタイムより10%少ない働き方をする、給料も10%減りますが、隔週でまるまる1日休める計算になります。

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希望は戦争 フリーターの若者の閉塞感

昨晩、台所で肉ジャガを煮つつサラダを作りそら豆をゆで、なんて作業をしながらNHKの「クローズアップ現代」を見ていました。


私の住んでいるマンションはいわゆる対面式のキッチンなので、シンクと調理台が部屋の方を向いています。テレビを見ながら調理ができるのですが、調理中はガンガン換気扇を回すのでテレビの音はほとんど聞こえないのです。最近の民放のようにしゃべっている内容をそのまま画面下に字で表してくれるといいのですが、NHKはそういうことがないので、画面を眺めて内容をだいたい想像していました。


憲法9条について考えるというような内容のようでしたが、終わり近くになってようやく座ってじっくり見てみると、「希望は戦争」という戦争願望を持つフリーターの若者について言及していました。

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労働保険年度更新の季節です。

雇用保険と労働者災害補償保険を総称して労働保険と言います。


この二つは前年度から継続して事業が行われている場合、毎年4月1日から5月20日までに申告・納付をすることになっています。(条件がかなえば3回に分けて支払うことができる)新しく事業を開始した場合は、開始から50日以内に申告・納付をします。


例年4月1日に事業主宛に納付書が発送されます。それに年度の賃金総額と計算した保険料等を記入して申告して、銀行等で保険料を納付するということが、事業主にとっての毎年の仕事になるわけです。


今年は雇用保険率が下げられることになっていましたが、国会での成立が遅れ、納付書の送付も遅れたため申告期間が6月11日までと大幅に延びることになりました。

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社員の7割が望むパワハラ対策

東京都は先月、セクシャルハラスメント、パワーハラスメントなどについての事業所の調査結果を発表しました。(参照)


都内の従業員30人以上規模の2500事業所と、5000人の従業員を対象とする調査結果です(回収率事業所38.3%女性37.3%男性34.1%)


今日は、この中のパワーハラスメントについて考えてみたいと思います。

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なーんか窮屈な感じのする教育再生会議提案

今日はこどもの日。


わが子が成人してからついぞ子供と接する機会が少なくなってしまいました。街でよちよち歩きの赤ちゃんなどを見かけるとどの子もホントかわいいなあと思います。自分が子育てをしていた頃は当事者だったせいか、なかなかそんな余裕がなかったものですが。


先ごろ、何かと物議をかもす教育再生会議が子育てについて提言をしました。(新聞記事参照)


教育再生会議は荒廃した学校現場を立て直すために作られたと理解していましたが、学校に入ってからでは遅いと思ったらしく、赤ちゃん時代からの「親学」なるものを提言しました。

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憲法における私人間効力

昨日久し振りに憲法の本を読んでいて、社労士試験の過去問でも出たことのある「三菱樹脂事件」(最高裁大法廷判決昭和48.12.12)にぶつかりました。


社労士試験では、事業主の採用の自由についての判例として出たのですが、もともとは憲法に保障される基本的人権が、大企業対個人という場面でも適用できるかが争われたものです。


昨日もちょっと書きましたが、憲法にある基本的人権の尊重は国家対国民を規律するものです。国家権力から個人を解放するための規定なのです。しかし、国民対国民であっても相手が巨大企業のように大きな力を持つ場合は憲法が類推適用されるのではないか、という問題提起されたのが三菱樹脂事件です。

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憲法記念日に憲法を読み直す

今日は憲法記念日。


ということで、憲法をひもといてみました。日本国憲法は昭和22年5月3日の施行です。前文、本文11章103条からなります。天皇に絶対的権能を与えていた明治憲法(大日本帝国憲法)とは全く異なる、国民主権、永久平和主義、基本的人権の尊重を3本柱とするものです。


日本における憲法の役割は国家の根本的な統治法として、国家権力から国民の人権を守ることにあります。前文ではこれらについてと、国際社会の中での自らの役割についての理想が高らかに宣言されています。


これを「英文をそのまま和訳したので、わけがわからないし読みにくい」と語った某知事がいましたが、私はそうは思いません。このぐらいの文章は中学生ぐらいになれば十分ついていけると思います。


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電子申請研修会に出席する

昨日、連休の谷間でしたが県会の電子申請に関する研修会に出席しました。


電子申請は、4年前からスタートして当初何かと不都合があったようですが、年々改善され使い勝手もだいぶよくなったようです。特に社会保険に関しては、今まで必要だった事業主の電子署名がいらなくなり、前もって委任状を取り交わしておけば社労士だけの電子署名で提出できるようになったということで、手続き業務に取り入れる会員も徐々に増えつつあるようです。


私はといえば、手続き業務は最初から興味がないですし、今のところその手の仕事がない(顧問先がない)ということもあったのですが、何かで必要になった時に知識として知っておかなくてはと、研修に参加しました。もちろん、連合会から電子証明書は入会後すぐ取得してあります。

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