おばさん社労士の発信基地 きぼうという名の事務所です。

開業してからまる10年「発信する社労士」を目指して「独立独歩」「自主自立」の活動をつづるブログです。

夫婦同姓は憲法違反か?(2)

 昨日の続きです。
最高裁は、婚姻により姓が同一となり社会の構成要素である家族の呼称として意義があり合理性があること、改姓については夫婦の協議により自らの意思により行われ強制されてはいないなどとして、多数決により憲法違反ではないとして、上告を棄却する判決を出しています。
補足意見を述べた女性裁判官は、多くの妻が結婚後家庭に入り家事・育児を担っていた時代には、問題がなかったが、近年の女性の社会進出により、個人、会社、機関その他で独立した法主体として契約や経済活動などを行うようになったため、改姓により別人と認識されることなどによる不利益を受けるようになったとしています。
また、この民法の規定が国連の女子差別撤廃委員会からも差別的規定としてたびたびその廃止を要請されていることにも言及しています。
96%の夫婦が男性側の姓になることについても、アイデンティティの喪失感などを持つこともあり得るだろうとしています。多くの妻が自分の意思で決めるといっても、女性の経済的社会的弱さ、立ち場の弱さ、種々の事実上の圧力などの要因がある結果だとして、個人の尊厳と両性の本質的平等に立脚した制度とはいえないと明確に否定しています。


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夫婦同姓は憲法違反か?(1)

企業実務1月号今月発売となった日本実業出版社の『企業実務』2017年1月号に、「どう考える?ビジネスでの旧姓使用」と題する原稿を書かせていただきました。
結婚・出産後も働く女性が増えて、結婚により改姓しても旧姓のまま働くことを希望する女性が増えています。
離婚、養子縁組などでも姓が変わりますが、業績や評価など別人とされて不利益となる場合もあり、国家公務員の場合は、国立大学の女性教員が提起した裁判をきっかけとして、2001年10月より職場で通称として旧姓を使用することが認められています。
大企業を中心に認める会社も増えていて、職場での旧姓使用の拡大が見られるため、それについての社会的流れ、法律的背景、及び行う場合の労務管理等について書かせていただきました。
誌面スペースの関係で関連する裁判について、書けなかった判例があるので、当ブログで書いておこうと思います。

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同一労働同一賃金と言っても

 安倍首相はひところ野党が盛んに言っていた「同一労働・同一賃金」ということを言い出し、このほどそれに関するガイドライン案を発表しました。
同一労働・同一賃金というと、同じ仕事なら日本全国どこで働いても同じ賃金ということも考えられますが、政府の考えている「同一労働同一賃金」というのは、同一の企業内で同じ仕事なら同じ賃金ということのようです。
主として、正社員と非正規雇用と言われるそれ以外の人たちの待遇格差を埋めるように、企業に促すような法整備を今後行いたいということのようです。
同一企業内ですから、大企業と中小企業の待遇格差は変わりませんが、各企業の労使の裁量部分に大きく踏み込み、わが国の雇用慣行である年功序列型賃金、正社員優遇を根本から見直す必要があることを示唆しています。
これに先立ち、すでに、労働契約法、パートタイム労働法では、有期雇用であること及び短時間労働者であることのみをもって不合理な差別をすることを禁止しています。
しかし、この「不合理」という判断基準が、仕事の内容、残業の有無、責任や権限の範囲、転勤の有無など少しでも違いがあれば、待遇が違うのは許容されるというような考え方が示されてきました。

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もうすぐクリスマス

      
毎年12月の私のルーティンワークの一つ、クリスマスっぽくアレンジしたお花を自宅の玄関に飾ることを今年も行いました。
子どもたちが巣立ってから、ツリーも出さなくなり、プレゼントを用意したりすることもなくなりましたが、何もないのはなんか寂しいしと、毎年、お花のアレンジだけは続けています。ツリーを模した枝を行きつけのお花屋さんで買い、ついでにバラやスイートピー、雪に見立てたカスミソウなど、ささやかに飾ろうと挿していましたら、思いの外豪華な雰囲気になりました。 

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社労士としての発信

 「社員をうつ病にする方法」というような内容のブログを公開した社労士が懲戒処分を受けるという事案がありましたが、それが昨年の12月だったのだということを社労士会連合会の会報で知り、1年たつのが早いなーと思いました。
当該ブログ記事は当時私も読みましたが、問題のある社員を簡単に解雇するわけにもいかず、困った経営者に知恵を授けるというような感じで、パワハラまがいのことを繰り返し、うつ病にさせれば病気により自然に退職に追い込むことができるというような内容だったと思います。
ネットで炎上して、すぐに記事は削除されて読めなくなりましたが、その後当該社労士は所属する県社労士会から3年間の会員権停止処分と退会勧告を受けました。
その後、厚生労働大臣に懲戒請求が出され、3か月間の業務停止処分を受けました。
開業社労士でHPやブログを開設して発信している人はたくさんいますから、発信内容についてあらためて吟味するようにとの「お達し」も出て、今般、会報といっしょに小冊子が送られてきて不適切な発信について記載されていました。

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名刺の整理をする

 昨日、社労士会支部の忘年会があり、その前にボウリング大会などもあり楽しいひと時を過ごすことができました。そのときに、「年賀状書いた?」とある方から聞かれ、「まだですー。そう言われると焦りますねー」などという年末らしい話題がありました。
私としては、その前に許容量を超えてなおかつだまし、だまし?使っていた名刺ホルダーを何とかしなくてはと、本日、以前購入したままになっていた新しい名刺ホルダーにはみ出した分を入れるなどして、整理整頓することにしました。
中には故人となった方もいらして、「逝去」と書き込んだり、所属する研究会関係の名刺では退会された方も結構いるので、「退会」と記入したりしました。
シュレッダーにかけてもいいのですが、名刺というのは、特にに社労士からいただいたものは、なんかその人の気持ちがこもっているような気がして、なかなか捨てるということができません。

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育休、産休により迷惑をこうむる人がいる?

 昨日、何気なくラジオのお悩み相談を聴いていたら、独身の女性会社員らしい人の相談で、育児休業や産休等をとる人が周りに多く、復帰しても短時間勤務だったり、子どもが熱を出したからといってすぐ退社してしまう人もいて、自分の部署の仕事のフォローを結局自分がやることになる。
自分としては、将来自分も同様に育休等取得することになるかもしれず、下手に文句を言って独身子無しの僻みと思われるのも本意ではなく、何も言えず現状を受け入れているが、もやもやした気分がどうにもやりきれないというような内容の相談がありました。
ラジオのパーソナリティと女性アナウンサーの二人で意見を言っていましたが、最終的には会社のマネージメントの責任であり、やはり会社に相談して改善するべきというような意見に落ち着いていました。
現在、育児休業はかなりの企業に浸透しています。もちろん、法定の権利ですから会社としては断ることはできません。
たまたま複数人が取得するということも会社の年齢構成等によってはあり得ることです。

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IT化が過重労働につながる?

今朝の朝日新聞に、最高裁までいった「電通事件」 (過去記事参照)と今年労災が認定された同社の女性社員の遺族の代理人を務めた弁護士さんのインタビュー記事が掲載されています。
長年、過労死問題に取り組んでいる方で、私も書籍等でお名前をよく存じ上げている弁護士さんです。
「電通事件」で自殺した男性社員が入社したのは1990年です。この事件は企業の安全配慮義務を明確にしたことで関係各方面に大きな影響を与えたと思いますが、舞台となった会社自体は、今般労災が認められた女性社員の自殺に至るまでのいきさつなどによると、この四半世紀ほとんど体質が変わっていないと語っていらっしゃいました。
むしろ、当時は女性社員は男性の補助的な役割と認識されていた会社だったのに、他の事例も含めて女性にまで過労死が拡大していることに驚いているというようなことも語っていらっしゃいました。


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「保育園落ちた日本死ね」全文を読む

 今年の流行語大賞のトップテンに選ばれた「保育園落ちた日本死ね」が、こんな汚い言葉を選ぶなとか、いや、言葉に力があるとか賛否両論でまたまた炎上したというのがちょっと前です。
今年を振り返り、私の仕事にも多少関連があるので、初めてネットで全文を読んでみました。
保育園に落ちたお母さんと思われる女性が本音を語っているように読めます。
本来親しい友人とか家族に言うような語り口だと思いますが、匿名だから書けるんでしょうか。
それはともかくとして、書いている内容はごく当たり前のことのように感じます。「死ね」だけクローズアップされてしまいましたが、女性の活躍とか言っておきながら、保育所も足りないようでは働けない、特に「保育園増やせないなら児童手当20万にしろよ」このあたり、私とこの方とは意見があいます。
私はかねてより、少子化の解決は「金」しかないと考えています。
子ども一人につき100万円ぐらいの「子ども年金」を払えば解決できるだろうと考えています。

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マイナンバーの利用法

 今年も残すところもう3週間ないんだと思うとあわただしい気分になります。
先日、ある飲み会で給料計算をしている社労士仲間が、今年は年末調整でマイナンバーの記載があり、管理に気を使うから例年になく大変だとこぼしていました。
私は、給料計算をしないので「そうかー、大変だねー」と相槌を打つ程度ですが、マイナンバーにより個人の識別が簡単になるのですから、行政側だけがその利便性を享受できるのではなく、国民の側も当然その利便性を享受させてもらわなければいかんよねと、ふと思いました。
社会保険関連のことでは、年金の請求の際に住民票などを添付しますが、それらはいらないのではないかと思っていましたら、年金機構では来年4月から個人番号を記載して戸籍謄本の添付など省くようになるそうです。それはよかった。
今後、収入と連動させて「算定基礎届」なども省けるようになるのではないか。
税金関連と社会保険関連のシステムを合体させればよいだけだから、そんなに難しい話ではないのではないかなと思います。


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定年後の再雇用の賃金

先月、東京高裁で定年後の再雇用について賃金を引き下げたことは、違法ではないとする判決があったと報道されました。
書こうとしていて書きそびれていたので、今日、ちょっと書いてみたいと思います。
この裁判は、今年の5月に東京地裁で労働者側が勝訴していましたが(
過去記事参照)、経営者側の控訴を受けて高裁が地裁判決を取り消す形で経営者側が逆転勝訴したものです。
労働者側は上告しましたので、判断は最高裁まで持ち越され、今後注目すべき裁判になると思います。
訴えていた労働者はトラックの運転手さんで、定年後再雇用で期間を定めて働く嘱託となりましたが、仕事は全く同じなのに、賃金が2~3割減額になったのは、労働契約法20条違反だとしています。
このあたりは過去記事に書きました。
労働契約法は平成20年3月施行の新しい法律ですが、その後改正されて期間の定めがあることによる不合理な労働条件を禁止しています。
司法の場で初めてこの条文を根拠として訴えが提起されたのがこの裁判です。

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重要なことが簡単に決まる怖さ

 街にイルミネーションが輝き出しました。クリスマスソングが流れいつもと変わらぬ師走の風景です。でも、何かが違うと思うことがありました。
先日、いわゆる「カジノ法案」が衆議院の委員会で強行採決されました。
年金のときもそうでしたが、数の力でどんどん決められていく。特に「カジノ法案」については、もっと議論してほしかったですが、野党側も「ギャンブル依存症」のようなことばかりを強調していて、それはもちろん必要ではあるのですが、もっと本質的なことを追求してほしかったです。
だって、カジノを作るか作らないかは国の根幹にかかわる一種の「哲学」だと思うからです。
時代劇などをみていると、今でいうカジノのような「賭場」がでてきて、昔からその種のものはあったとわかります。でも、毎日勤勉に働く庶民の近づくところではなく、遊び人とか渡世人とか真面目な一般庶民とは一線を画している場という描き方をしています。
政府は外国人観光客の誘致になるからと言っていますが、日本のイメージはクリーンで健全、人々は勤勉で親切、古い時代から続く文化がある一方、アニメやゲームなど新しい魅力もあるというところではないでしょうか。
カジノなんて求める人は別のカジノがある国に行けばいいし、日本はカジノなんてなくても十分観光立国としてやっていけると思うのですが。

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編集のプロのスキルに感心する

 ある雑誌からご依頼いただいたある原稿の締切が先月末でした。
私としても興味深いテーマだったこともあり、かなりたくさんの資料を集め、読み込み、とりかかりました。なかなかとっかかりが難しかったのですが、書き出したら結構楽しく書けました。締切2日前にようやく送りましたら、2日後に早々ゲラが送られてきて、それも無事校正してようやく解放です。
ちょっぴり残念だったのは、私が読者の方に知っていただきたかった裁判例の内容について(注)で小さくほんとに簡単に概要を書いたのですが、それが削られてしまったことです。
でも、書いているうちに図表や、社内規程例なども作ってしまい本文と合せると、相当字数オーバーだろうなとわかっていたので、仕方ないなと思っています。
むしろ、私の書いたことや図表化したものなどすべて掲載してくださったことに感謝しました。しかも、とてもすっきりうまくレイアウトしてくださって、スペース内にとてもきれいに納まっているのです。

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