おばさん社労士の発信基地 きぼうという名の事務所です。

開業してからまる11年「発信する社労士」を目指して「独立独歩」「自主自立」の活動をつづるブログです。

正規社員と非正規社員の不合理な差異の判断

今朝の朝日新聞の一面では、昨日の東京地裁判決を大きく取り上げていました。
日本郵便の配達などを担当する契約社員と呼ばれる非正規雇用者の正規雇用者との差別的待遇について一部訴えを認めた判決です。今後、判決文の原文を確認することができるようになると思いますので、是非それは読んでみたいと思いますが、報道によると、日本郵便には約40万人の社員のうち半数が契約社員その他の非正規雇用者ということで、影響は大きいものと思います。
新聞報道だけなので、詳細は不明ですが、同社の契約社員3人が訴えたのは、期間の定めがあることのみにより、期間の定めのない労働者と比べて不合理な労働条件の相違を禁止する労働契約法20条を根拠としているようです。
同規定では、「業務の内容及び当該業務に伴う責任の程度当該職務の内容及び配置の変更の範囲その他の事情を考慮して」不合理と認められる労働条件ではいけないとしています。
従って、もし、職務内容や責任の程度などが全く同じであるなら期間の定めがある人とない人とで同じ労働条件にしなくてはいけないことになりますが、多くの会社では、責任の度合い、転勤の有無などが違うとして労働条件に差をつけているはずです。
今般の判決は、賃金制度上の違いは認めつつ、細かく手当の内容について比較してこの手当は正社員の8割、この手当は6割払いなさいとしている点が注目すべきところでしょう。


報道によると、年賀状配達業務は、同社にとって最繁忙期の業務で正規、非正規社員ともに年末年始休みなく働くことが多いようですが、正社員には「年末年始手当」が1日4千円~5千円支給されるのに契約社員には無しとしていることに対して、裁判所は「最繁忙期の労働に対する対価を契約社員にまったく支払わないことに合理的理由はない」として、正社員の8割を支払うべきとしたそうです。
また、賃貸住宅に住む社員向けの住居手当も合理的な理由がないとして正社員の6割を支払うべきとしたとあります。
手当を出す理由といいますか、その内容、質について細かく検証しているようで、賞与その他の手当で不合理手ではないとして原告側の主張を認めなかった手当(夜間特別勤務手当、早出勤務等手当)もいくつかあります。賞与などは長期雇用を前提とする正社員の待遇を手厚くして人材を確保するのは不合理な差別とはいえないとしているようで、原告側は認められなかった点について控訴するそうですから、今後の動向が注目されます。

今までは、非正規雇用者は転勤がないから違うとしていたことについても、転勤のない正社員と比較して判断しているそうで、きめ細かく見ている点が今までの裁判とは違うということです。企業にとっては非正規雇用者の待遇について見直しを迫られる場面もでてきそうです。
私もこれから判決文を入手してじっくり読んで勉強したいと思います。



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