FC2ブログ

おばさん社労士の発信基地 きぼうという名の事務所です。

開業してからまる11年「発信する社労士」を目指して「独立独歩」「自主自立」の活動をつづるブログです。

フレックスタイム制の長短

関与先から「子育て中の社員のためにフレックスタイム制を導入したい」とのご相談があり、明日お伺いするので、ご説明の資料等作るために統計資料など確認しています。
フレックスタイム制の説明資料などは以前、実際にある会社にご提案したことがありますし、雑誌の原稿用に書いたものなども手許にありますので、それをコンパクトにまとめればよいかなと思っています。
育児・介護休業法では、小学校就学の始期に達するまでの子を養育する労働者のために、労働時間の短縮措置や始業時刻の変更等の措置をするように努力義務を規定しています(第24条1項)
これについて、厚生労働省は指針を出していて、①フレックスタイム制の導入 ②始業・終業時刻の繰上げ・繰下げ ③保育施設の設置運営、ベビーシッター費用の補助 などを挙げています。
③は、中小企業にはあまり現実的ではないと思いますので、①か②、特に①は比較的やりやすいのではないかなと思います。
関与先がフレックスタイム制をということになったのは、それなりのいきさつがありますが、守秘義務がありますからこれ以上は一般的な話としてフレックスタイム制について、ちょっと書いておこうと思います。

「フレックスタイム制度」は、原則1日8時間、1週40時間の労働時間制限の例外的措置として労働基準法に規定のある変形労働時間制のうちの一つです。
要件は、まず、就業規則等で始業・終業時刻を労働者の決定に委ねることを規定して、対象労働者や清算期間など法定の事項を労使協定により定めて導入します。
清算期間は現行は1か月以内ですが、3か月以内にする改正案が労働政策審議会で答申されています。国会に上程されていませんので、どうなるかわかりませんが、多分、今後改正される方向にいくと思います。
現在は、賃金支払い期間に清算期間を合せる場合が多いのではないかと思います。
この清算期間の中で各労働者は自分で労働時間を決めて働くことができます。
この期間全体でみて、1か月の法定労働時間を超えた分が割増賃金の支払いが必要になるので、場合によっては残業代の削減にもなります。

通常、会社勤めをするということは、決められた時間に出社するということですが、自分で出社時刻も退社時刻も決められるのですから、労働者にとっては都合のよい制度でしょう。
会社として、ある程度は管理したいということであれば、必ず出社する時間帯=コアタイムを設けて対応することができます。コアタイムの前後が何時に出社、退社してもよいフレキシブルタイムということになります。

今、どれぐらいの企業で導入しているかは、内閣府男女共同参画局が厚生労働省の「就労条件総合調査」からまてめている図があります。(
参照)
これを見ますと、やはり1000人以上の企業の方が割合が高く、平成27年には21%です。30人から99人の企業では2.2%と、かなり低くなっています。
この図によると、1000人以上の割合のピークが平成8年で40%、それ以下の人数の企業は平成17.8年頃に遅れてピークが来ていて、30人から99人規模の企業は4.4%がピークです。
いずれも(他には300人~999人規模、100~299人規模)ピーク時から横ばいかやや減少傾向にあります。
1000人規模以上ではピーク時のほぼ半分の割合です。平成13年以降とそれ以前で調査対象事業所が多少変わっているようですので、それが統計上、どの程度の差異として出てくるのか私にはわかりませんが、単純に折れ線グラフをみているとそういう話になります。

様々な事情を抱えた労働者には良い制度であり、効率的な働き方だと思いますし、企業にとっても人材確保、残業代の削減などメリットもありそうですが、減少傾向にあるというのはそれなりのデメリットもあるということです。
企業側は、どんな条件で働こうと、労働時間管理はきっちりやらないといけませんから、個別にバラバラな出社、退社での管理はかなり大変になるでしょう。
部署ごととか、育児中の社員とか、対象者を限定することができるために対象外となった労働者から不満が出るなどもあるようです。そういう「負の感情」というのは意外と厄介なものです。会社として労務管理が難しくなるかもしれません。
また、顧客対応などで担当者がいてほしいときにいないなどの問題もでてきます。ルーズな社員がコアタイムぎりぎりに出社してきて、フレックスの意味がなくなるなどということも考えられます。
と、いろいろと管理しずらい点があると思われますので、やはり、導入には慎重にならざるを得ないのかなということでしょうか。

当地は、昨日は久しぶりの晴天でしたが、今日は朝から雨、しかも冷え冷えしています。台風の動きも心配です。皆様、体調をくずしやすい時期ですのでお身体を大切になさってください。

PageTop

コメント


管理者にだけ表示を許可する