おばさん社労士の発信基地 きぼうという名の事務所です。

開業してからまる11年「発信する社労士」を目指して「独立独歩」「自主自立」の活動をつづるブログです。

期間工の5年ルール問題

労働契約法では、期間の定めがある労働契約を更新し続けて5年を超えた労働者が、期間の定めのない労働契約に転換する申込をした場合、次の契約更新時には無期雇用契約にしなければならないとするルールがあります。
この5年のカウントは、法律施行時の2013年(平成25年)4月1日からスタートしましたので、来年の4月1日には該当する労働者がでてきます。
法律では、無期契約にすることのみを規定していますので、他の労働条件はそのままで契約期間についてだけ、「期間の定めなし」とすることもできます。ですから、企業によって、期間についてだけ無期契約にする場合もありますし、優秀な人については試験制度等を設けて正社員に登用するなどの措置をとる場合もあります。
また、有期契約については5年を期限として契約更新をそれ以上しないとして、無期契約に切り替えることを避ける企業もあります。
いずれも、就業規則、雇用契約書等で明確にしておかなければなりません。
法律の中で、この制度の「抜け道」としてクーリング期間というものがあります。契約期間に応じて、最長6か月ですが契約をしていない空白期間があれば、その期間を過ぎて再度契約しても今までの期間はリセットされ、そこから再スタートして5年をカウントするというものです。
大手自動車会社各社が、有期雇用しているいわゆる「期間工」と呼ばれる労働者に対して、このクーリング期間を使い、無期雇用となることを避けるような措置をした
ことについて、厚生労働省が調査をするということが報道されています。

ただし、担当官も脱法行為と決めつけることはなかなか難しいと語っているとも報道されています。契約は労使の合意により成立しますし、法律で決められているとおり行っていることについては行政も口出しできないというのが筋だろうと私も思います。
正規雇用が当たり前だった時代はもう終わったと考えなくてはいけないのかもしれません。企業は雇用調整のために非正規雇用者をどんどん増やし、今や約4割です。
何とか非正規雇用者の不安定な状況を改善しようと考えたルールだと思いますが、企業側の反発により、クーリング期間を設けたために、すべての有期雇用者が無期雇用にはなれるわけではないということになりました。
前述の自動車の「期間工」は直接雇用で大手自動車会社のため、福利厚生なども充実していて年収も300万円~450万円ぐらいとのことで、有期雇用者の中では賃金がよい方だそうです。
しかし、昼夜2交替制の場合も多く、やはり体力がないとなかなか厳しいという説もあります。
6か月のクーリング期間について、何らかの補償があるのかないのかわかりませんし、その期間、他の会社で働くことはできますから、それで何とかなるのでしょうか。

企業として「非正規雇用」という雇用形態がそんなに必要なら、やはり非正規雇用と正規雇用の間にある差は何とかしなくては、非正規雇用者が一生苦労しなければならないのはいかにも不公平です。
せめて、同じ仕事なら同じ賃金ということは徹底すべきでしょう。
転勤の有無、残業ができるかどうかで区別する考え方をしていますが、それはそれとして、別の職務の部分で同じ仕事の部分については同じにするべきです。そうなると、仕事についてかなり細かく分析する必要がありますが、みんなが気分よく仕事をするためにはそれぐらいの労は必要でしょう。
また、雇用の調整弁を非正規雇用者に限らず、正社員も対象とする、なんていうと、やはり社会的に不安定になるでしょうか。
でも、一部の非正規雇用者にそのような思いをさせていて、それで成り立っている社会というのはやはりどこかおかしいのではないのかなと、最近私は思うようになりました。
ということは、正社員の解雇ルールの見直しが必要か。悩ましい問題ですが、結局、社会のシステムを変えていかないと非正規雇用者の現状はよくならないと思います。

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