FC2ブログ

おばさん社労士の発信基地 きぼうという名の事務所です。

開業してからまる12年「発信する社労士」を目指して「独立独歩」「自主自立」の活動をつづるブログです。

無期転換ルールの留意点

「期間工の5年ルール問題」で過去記事にしましたが(参照)、労働契約法の有期雇用の更新を続け5年を超えると無期雇用になれるルールの該当者が、来年4月1日からでてきます。大企業では、法律が改正施行された2013年前後に社内規程の整備等が終わっていると思いますし、私も関与先の就業規則などとっくに整備していました。
ところが、労働政策研究・研修機構が昨年行った調査によると、4割近い企業が、この法律内容についてよく知らないという結果が出ています。
厚生労働省では関連サイトを作成して、事業主さんにアピールしています(
参照)
このサイトの末尾に関連パンフレットのダウンロードボタンがありますので、多くの事業主さんにきちんと内容を理解していただきたいと思います。
労働者向けのサイトもあります(
参照)。
さて、以下、私が気になっている留意事項等書いてみたいと思います。


「有期雇用から無期雇用になれる」というと、正社員になれると誤解してしまう労働者もいるかもしれませんが、労働契約法では、期間の定め以外の労働条件は特に別に定めなければ現状のままとすることになっているので、期間の定めがなくなるだけで、契約社員、パートタイマーなどの社内的身分はそのままです。会社によっては、これを機会に優秀な人を確保しようと正社員に転換する社内制度を作る場合もありますが、そうでない限りは正社員となるわけではありません。
お客様から、産休、育休などの期間はどうなりますかとのご質問をいただきましたが、契約関係が続いている限りは、通算期間としてカウントします。
そもそも、期間雇用者の育児休業取得については、勤続1年以上、子が1歳6か月になるまで雇用の継続(契約更新を含む)が見込めるのが条件ですので、契約期間が続いている前提がないと育児休業は取得できません。かと言って、今まで更新を繰り返していたのに、妊娠したとたんに「次の更新はありませんから、育児休業とれません。」というわけにはいきません。契約する時点で、次の更新はないということを明確に示して互いに合意していない限り、育児休業の取得を阻害したとして禁止されている不利益取扱いに当たると判断される可能性が高いからです。

私が気になったのは、法律上、使用者側に「この期間中に申し込めば無期契約に変えることができます。」といちいち教えてあげる義務はないので、そのあたりどのように振る舞うべきかということです。もちろん、就業規則等社内規程を整備して周知する手続きをとっていれば、それを読んでいる労働者は申込をするかしないか自分で判断できますが、読まない人もいるかもしれません。
使用者側がいつでも読める状態にしておく、コピーを渡しておく、社内の自由に見られる場所に置く、パソコン等でいつでも見られるようにしておくなどの措置をしていれば、使用者としての義務は果たしたことになります。読む、読まないは労働者の責任なので、知らなかったとなっても使用者側には責任はありません。
しかし、教えてくれれば私も申し込んだのにと不満を持ちトラブルになる可能性もあります。
この点、厚生労働省のサイトでは、契約時にきちんと説明することが望ましいとあります。まあ、社労士としても無用なトラブルのないように該当する労働者には、「就業規則の該当箇所を良く読んでください。」ぐらいは最低限言うようにしてくださいとお話しするのがよいのかなと思います。もちろん、詳細について説明してあげられれば一番よいかなと思います。

PageTop

コメント


管理者にだけ表示を許可する