おばさん社労士の発信基地 きぼうという名の事務所です。

開業してからまる11年「発信する社労士」を目指して「独立独歩」「自主自立」の活動をつづるブログです。

働き方改革関連 有給休暇について

 現在、国会で審議中の「働き方改革関連八法案」ですが、高度プロフェッショナル制度をめぐり野党の反対があり、過労死した労働者の遺族の方々からの強い批判などもあり、先行きは不透明です。またまた、与党が数の力で押し切るのかなとも思います。少数意見を尊重しつつめんどくさい議論を経て合意を形成するという民主主義的な手法が影をひそめてから随分たつなーと思います。
そんな時代もあったねと言いたくなりますが、それはともかくとして、あまり目立ちませんが、この関連法案の中に有給休暇についての改正も含まれています。労働基準法の改正の中にあるのですが、今般の改正の目的の一つである長時間労働の是正にそった改正です。
有給休暇の取得率を上げることは長時間労働の是正につながります。改正案では、年に10日以上有給休暇のある労働者について、5日は必ず取得させることが義務づけられます。労働者が自分で指定して取得したり、事業所の労使協定により計画的に取得した分は5日の中に含めることになっています。

厚生労働省の調査(平成29年度就労条件総合調査 全国の30人以上の事業所の調査)によると、事業所の規模によりばらつきはありますが、平均すると6日取得しています。
この調査を見る限り、多くの労働者は、みずから申し出て5日以上取得しているということになり、法改正の影響はあまりないのだろうかと私は考えていました。
しかし、先日、ある事業主さんとお話してみると、ほとんどの社員は5日以上取得しているが、取得しない人もいて、取得するように促すこともあるという話を聞きました。家族のいる人はみな5日以上は取得していて、取得できていない人は独身の人だそうです。
それを聞いた会社は、それなりの規模の会社ですが、そういえば、開業したての頃、就業規則を作ったある会社の社長は、社員にはなるべく休んでほしくないと言っていたことを思い出しました。
前述の調査は、30人以上の規模の会社です。この調査には含まれない事業所も世の中にはたくさんあります。そのような事業所には、年5日以上有給休暇を取得していない人ももしかしたらたくさんいるのかもしれません。

法律が改正施行となった場合、有給休暇を付与して、さらに最低5日取得させるところまでが事業主の義務となります(10日以上有給休暇のある労働者に限る)。今までは、条件にかなう労働者について、有給休暇を付与することで事業主さんの義務は果たせていました。休暇を取得するもしないも労働者側の裁量に任されますから、有給休暇があるのに取得しなかったとしても、事業主の責任とはなりません。もちろん、休暇取得を阻害するような言動をしたら法違反となりますが。
これは、特に、取得率の低い会社にとっては案外、負担となることかもしれません。きちんと取得してもらうためには、計画的付与制度を利用するか、定期的に話し合いの場などを設けて、5日以上取得できるように配慮していく必要がでてくるかもしれません。
関連して、今まで作成義務のなかった休暇の管理簿の作成も義務づけられます。

労働基準法は、就業規則作成の義務がないような小さな事業所でも、人を雇っていれば適用されます。罰則もあり、労働基準監督署という専門的な役所も「お目付け役」として控えています。
この改正は、意外と小規模事業所にとってきついかもしれないなと思うのでした

PageTop

コメント


管理者にだけ表示を許可する