おばさん社労士の発信基地 きぼうという名の事務所です。

開業してからまる10年「発信する社労士」を目指して「独立独歩」「自主自立」の活動をつづるブログです。

選挙後には派遣法改正案の審議を!

今日で衆議院が解散になる見込みで国民の生活に直結したいくつかの法案が廃案になることが決定しました。

その中でも私が注目していたのは派遣法の改正案でした。

日雇い派遣を禁止するとか、登録型派遣を禁止するとか、製造業派遣を禁止するとか、各党がいろいろ出していたと思いますが、全く審議すらされず廃案とはちょっとがっかりですね。

その割りに臓器移植法案などは「脳死は人の死」とあっさり認めて決着してしまったり、やはりそこに何らかの意図があるのだろうかと勘ぐりたくなってしまいます。

数日前だったと思いますが、新聞の投書欄に派遣社員の方の投書があり、派遣元会社から派遣法改正に反対する署名を求められたという投稿がありました。

派遣元、派遣先ともに派遣法を改正されると現在の旨みがなくなるからなのでしょう。その派遣社員の方が「ちょっと考えさせて」と言ったら、「考える必要なんてないでしょ」と言われたとか。既得権益を崩すというのは本当に大変なのですね。

 

少し前の話なのですが、社労士会の支部で研修があり、弁護士さんを講師にお迎えして解雇・雇止めについての判例解説などをしていただきました。

その中で派遣社員に対する雇止めの判例で、27回13年更新し続けた後の雇止めについて、期間満了による更新拒絶が有効と判断された例が挙げられていました。(伊予銀スタッフサービス事件高松高裁判2006年5月18日)

直接雇用の有期契約ですと、更新の回数、期間などの他に、仕事の内容(臨時的か常用的か)、契約書を取り交わすなど管理の状況、更新するという期待を持たせる言動が会社側にあったか、などを総合的に勘案して雇止めが有効かどうか判断するというのが判例の流れです。

しかし、13年も更新し続けたとなると労働者側の更新に対する期待は相当あると見られて、期間のない雇用契約とほとんど同様とみて解雇権濫用法理(社会通念上相当の理由がないと雇止めできない)が類推適用される可能性が高いと思われます。

 

この判例では、派遣社員の場合は、派遣制限期間もあり(もちろん13年更新し続けるなどというのはその点では違法)、長期間継続して派遣することを予定していないので、通常の労働者と同様に雇用継続の期待に対する合理性を認めることはできないとして、この派遣社員に対する雇止めを有効としています。

本当は直接雇用してほしいのにその職がないため仕方なく派遣社員になっている人がたくさんいるという社会情勢を裁判官がもう少し理解していたら、判決は変わっていたのか? それとも法律的にこう考えるしかないのか、疑問の残るところです。

いずれにしても、派遣労働者の立場は直接雇用の労働者より弱いということだけははっきりしています。より弱い立場の人を守るのが法律の役割でもあると思いますから、派遣法について抜本的な議論が必要だと思います。選挙後に次の政権政党が責任を持って見直しをしてほしいと思います。

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